YASUHARA LAB.
放射線などの外的ストレスによってゲノム損傷が生じますが、私たちの細胞は優れた応答機構を持っており、ゲノムに異常が生じないように修復していると考えられます。しかし、ひとたびそのような応答機構が破綻すると、ゲノム異常、特に広大なゲノムの中で最も重要な部位と考えられる転写活性化部位・遺伝子領域の異常を介して、がんなどの疾患へとつながってしまいます。私たちの研究室では、このような生命の根幹に関わるようなメカニズムの解明を目指しています。
これまでの私たちの研究で、染色体異常の中でも特に2本の染色体の一部がつなぎ変わってしまう染色体転座が、いつ、どこで、なぜ生じるのかについて、少しずつ分かってきました。例えば、R-loopと呼ばれる特殊な核酸構造が誘導する、転写と共役した特別なDNA修復経路の関与や、ストレス応答の過程でのRNA結合タンパク質の相分離によって核小体に形成される凝集体が関与することなどが明らかとなってきています。染色体転座によって生じる疾患は、がんが代表的ですが、他にも精神神経疾患のリスク因子となったり、生殖細胞に生じた場合には不妊や胎児の染色体異常症を引き起こします。このような疾患の背景にある根源的な分子メカニズムの理解を目指すことは、疾患に対する新たな予防・治療戦略の開発につながると考えています。特に昨今問題となっている高齢出産や生殖医療における問題の機序解明や、がんの治療、根絶戦略の開発を念頭に、長寿社会における諸問題の解決への貢献につながることを期待して研究を進めています。
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